『[記事] 読売新聞「胆道がん治療 選択肢広がる…抗がん剤3剤の同時投与も有効」』
読売新聞のヨミDrの記事から。難治性がんの1つである胆道がんは、アジアの地域で罹患者が多いアジアン・ディジーズ(アジア特有の病気)です。新しい治療法がなかった停滞期が長かったのですが、臨床試験や治験を経て、治療法の選択肢が広がっています。胆道がんを共存できる病気へ。ご興味のある方は是非ご覧ください。
■ヨミドクター 「胆道がん治療 選択肢広がる…抗がん剤3剤の同時投与も有効」
2022年5月14日 読売新聞
治療の難しいがんとして知られている胆道がん。手術で切除ができない場合は、薬物療法が行われますが、最近はその選択肢が増えてきています。放射線療法の一つである重粒子線治療(粒子線治療)も4月から肝内胆管がんなどで公的医療保険の対象になりました。
(参照:神奈川県立がんセンター iROCK重粒子線治療施設)
●国内で年間2万2000人
胆道は、肝臓でつくられた「胆汁」と呼ばれる消化液の通り道を指します。胆汁をためる「胆のう」、肝臓と十二指腸をつなぐ「胆管」、胆管と十二指腸のつなぎ目となる「十二指腸乳頭」という三つの部分に分けられます。胆管は、肝臓内にあるかどうかで、「肝内胆管」と「肝外胆管」に分かれます。
胆道がんは、胆道にできるがんの総称です。胆のうがんなど、発生した部分によって名称が異なります。
国内で年間約2万2000人(肝内胆管がんを除く)が診断されます。5年生存率は約25%で、膵臓(すいぞう)がんに次ぐ低さです。
黄だん、腹痛、体重減少などの症状が出ます。初期は無症状のことが多く、進行してから発見されやすい特徴があります。
●手術と抗がん剤の組み合わせた治療も
薬物療法では、3剤の抗がん剤のうち、2剤を組み合わせる治療が行われてきました。ここ数年は、がんをより強くたたく効果を期待できる3剤の同時投与も広がっています。
2018年に発表された患者246人を対象にした研究では、3剤による治療の方が、2剤よりもがんが進行せず安定して過ごせる期間(中央値)が約2か月長いと報告されました。
●FGFR2融合遺伝子変異陽性患者にペミガチニブも
また、昨年5月には、「ペミガチニブ(商品名ペマジール)」が保険適用になりました。FoundationOneCDxがん遺伝子パネル検査/コンパニオン診断を受け、FGFR2融合遺伝子変異が陽性である患者が対象となります。このFGFR阻害剤は、治癒切除不能胆道がんを対象としていますが、FGFR2融合遺伝子変異が陽性となる患者は数が少ないこともあり、この薬剤で治療できる人は一部に限られます(参照:ペマジール適正使用ガイド)。
*続きはこちらをご参照ください。
『【祝】陽子線治療・重粒子線治療、切除不能の肝内胆管がんに保険適用へ』
日経新聞の記事から。18日、厚労省は、粒子線治療(陽子線と重粒子線)について、今年4月から、肝細胞がん、肝内胆管がん、膵臓(すいぞう)がん、大腸がん術後局所再発、子宮頸部腺がん(いづれも切除不能に限る)の5疾患に対して保険適用となることを決定しました (子宮頸部腺がんは重粒子線治療のみ)。膵臓がん治療に大きな前進が期待できます。詳細は以下の記事をご参照ください。記事のシェアなどで、告知にご協力頂けますと幸いです。お知らせくださった兵庫県粒子線医療センター 院長の沖本 智昭先生、ありがとうございました。
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